こんにちは、コーチ・コンサルタント・カウンセラーの
MOMO(モモ)高橋澄子です。
今日は、上司と部下のコミュニケーションについて良くある相談から、上司が部下の話を「きく」落とし穴について、ご紹介します。
社長から相談された悩み
社長から受けるご相談で多いのが、こんな悩みです。
「私は社員の声を何でもきくようにしている。
社員には、どんな小さいことでも、言いたいことががあればどんどん言って欲しいと毎日口を酸っぱくして言っている。
だが、当社の社員は自主性が乏しいのか、全然意見が出てこない。
当社の社員はもう少し優秀だと思っていたのに、上司の指示待ちで本当になさけない。
どうすればもっと積極性や自主性をもたせることができるのか」
「一度うちの社員を客観的に観て、どうしたら良いか教えて欲しい」
社員から見た真実は
早速、社員の声をきいてみると、
「社長は全然社員の話をきかない。
こちらが何か提案をしてもすぐに話をさえぎり、自分の意見を話し出し止まらなくなる。
社長の考えと違う意見を述べようものなら、即座に否定されるか、質問攻め。質問に答えられないと怒られてそこでおしまい。
結局意見をききたいと言っても、社長は口先ばかり。
何を言ってもムダだから、社長の指示通りに動けばいいんだとみんな何も言わないのです。」
コミュニケーション・ギャップが起こる理由
上司は部下の意見を求めているのに自主的な発言が少ないと悩み、部下は上司が何も聴いてくれないと感じ沈黙している。
残念ですが多くの組織で、こうしたコミュニケーションに対する意識のズレが生まれています。
一番の原因は、上司サイドの話のきき方にあります。
上司は何でもきくと言いながら、無意識に自分の意見や価値観に沿った発言を期待していることが多いのです。
相手の話をきくとき、こうした自分の考え方の枠にとらわれていると、自分の期待に沿わない発言を注意してきくことができません。
結局、自分に都合の良い言葉を選んできいていることになります。
ここで上司が望む自主性とは、「上司の理解できる範囲内で自主的にふるまって欲しい」という少しも自主的ではない言動です。
部下は上司のこうした姿勢に敏感です。
上司の期待に沿うような発言はしても、上司の反応が分からない新しい提案や革新的な意見などは、どうせ否定されるか無視されると、口にしないのです。
相手の話を本当に「きく」ためには、自分の考えや価値観を脇におき心と頭を白紙の状態にして、何でも受け入れる姿勢が必要です。
部下や後輩から意見が出ないと感じるときには、自分の枠にとらわれて接していないか、振り返ってみることをおススメします。
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