こんにちは、コーチ・コンサルタント・カウンセラーの
MOMO(モモ)高橋澄子です。
私たちの仕事や暮らしを左右する重要なポジションのほとんどは
中高年が占めています。
社会に大きな影響を与える年代ですから、心身ともに健康で
いて欲しいですよね。
ところが、中高年が精神的にどんな状態にあるかはあまり
知られていません。
中高年ときくと、なんとなく落ち着いた安定した姿を思い浮かべませんか。
しかし、実態は迷い揺れ動く危機の年代なのです。
このブログでも何回に分けて、中高年が出会う危機についてご紹介したいと思います。
中高年とは
一般にいう中高年は、心理学ではまとめて中年期と呼ばれ、40~64歳までの25年間を指します。
中年期の最大の特徴は、さまざまな変化に見まわれることです。
経験する変化によって、前期(40~55歳頃)と後期(55~64歳)
に分けて見る必要があります。
この記事では、まず中年前期(40~55歳頃)について見ていきます。
中年前期で経験するさまざまな変化
職業上の変化
・役割・立場の変化
現場の担当者から、部下をもつ上司やマネジャー、プロジェクトや チームのリーダーという役割への変化があります。
自分の仕事ぶりで成果を出すやり方から、部下を教え部下をつうじて成果を出すやり方へ転換を図らなければなりません。
・仕事上の限界の認識
長い経験から、自分の能力やキャリアの限界をある程度予測できる
ようになります。
挫折を味わうと、もうやり直しがきかないとあきらめと失望を
感じます。
若い頃描いていた将来像と現実とのギャップに心が揺れる
こともあります。
家族の構造の変化
・親役割の減少と子どもとの関係の変化
子どもだちは思春期に入り、親とは別の自分たちの世界を広げ、親との接し方や家庭生活のルールの変更を求めてきます。
そこで、親としての役割や親子関係を柔軟に変え、子どもたちの変化に対応していかなければなりません。
・老親の世話や介護
親の老化や病気を受け入れ、世話や介護を担うこともあります。
身体の変化(生物学的な変化)
・体力の衰え・老化
若いときのように無理がきかなくなったと思い、老眼や白髪
に気づき、はっきりと老化を感じるようになります。
生活習慣病が起こりやすくなる時期で、健康が気になり出します。
・ホルモン活動の減退(閉経)
女性は、ホルモンの減少によって閉経(生理の終了)を迎えます。
また、男女ともにホルモンの減少から更年期障害の症状が
出ることがあります。
心理面が変化する
・自己の有限性の自覚
数多くの変化が同時期に起こることで、
もう今までの自分では通用しない
と感じ始めます。ではこれからどうやっていけばいいのかと
自分の生き方やあり方について見直し
を迫られていきます。
これだけの変化にあうだけで精神的に大きな負担です。
さらに、その結果として今までの生き方やあり方の見直しが課題となっておおいかぶさってくるのでした。
中年後期(55歳~64歳)なると、さらに喪失と死に出会うことになるのですが、それはまた別の記事で。
参考文献 :岡本裕子編 「中年の光と影-うつを生きる―」
現代のエスプリ別冊至文堂
京都府精神保健福祉総合センターホームページ
「心と健康のためのサービスガイド」
「中年期の危機」に関する連載記事
この記事の書き手は ⇒⇒⇒ MOMO(モモ)高橋澄子のプロフィール
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