喪失と向きあう中年後期|中年期の危機(2)

中年期の危機

こんにちは、コーチ・コンサルタント・カウンセラーの

MOMO(モモ)高橋澄子です。

 

 変化に揺れ動く中年前期|中年期の危機(1)

 

では、中年の前半(40歳から定年を迎える55歳頃)に、仕事、家庭、身体などの数多くの変化に出会い、心が揺れることをお話しました。

 

では中年後期(55歳頃~64歳まで)はどうなのでしょうか。

 

中年後期に出会う変化

中年も後期になり老年に近づくと、こんな変化に出会うことになります。

 

職業上の変化

 

・職業人生の終わり

 

 企業・組織で働く人の多くは定年を迎えます。

 

 長い間つとめあげたことに、満足感を味わいます。

 

しかし、仕事に大きな価値をおいていた人ほど、仕事上の役割、目標、仲間、肩書きなどを失ったことに、大きな喪失感を感じます。

家族の構造の変化


・子供の自立と親役割の終了 

 

 進学、就職、結婚などで子どもが巣立っていきます。

 

 巣立ちを喜び安堵する一方で、言いようのない寂しさや虚しさに

 とらわれます。


夫婦関係の見直し

 

 子どもの巣立ちによって、夫婦二人きりの家庭生活に戻ります。

 

 子どもは挟んだ関係から、改めてこれからの夫婦関係をつくりなおす必要に迫られます。

 

・老親の介護と看取り

 

 老親や高齢者の深刻な病状や死に接し、自分の死を意識するようになります。

 

また老親や大切な人たちの死によって、深い喪失感を経験することが多くなります。

身体の変化(生物学的な変化)

 

・体力の衰え・老化

 

 中年前期から始まっていた目や耳などの感覚器の衰えや身体の機能の低下を一層感じるようになります。

 

また、同年代の仲間の深刻な病気を数多く耳にし、自分の健康への不安が現実味を帯びてきます。

 

心理面の変化


・喪失の受容と再生

 

 中年前期に経験する変化は、下降や衰退というネガティブな意味をもっているものがほとんどでした。

 

そこで、これまでの自分の生き方(アイデンティティ)ではもはや通用しないと感じることになりました。

 

さらに中年後期になると、職業、子どものいる生活、老親と、大切なものを次々に失っていきます。

 

そこで、この喪失を受け入れ、

 

自分自身の新しい人生をつくりあげていく

 

ことが中年期から老年期までの重要な課題として浮かび上がってきます。

 

変化と喪失の中年期は、後半生の自分の生き方を見つける挑戦の時期ともいえるのです。

 

「自分の生き方探し」は若い頃だけの悩みだと思っていた方はビックリされたかもしれませんね。

 

あまり知られていない「中年期に危機」については、別の記事でさらに掘り下げていきます。お楽しみに。

 

 

参考文献 :岡本裕子編 「中年の光と影-うつを生きる―」

      現代のエスプリ別冊至文堂

 

      京都府精神保健福祉総合センターホームページ

     「心と健康のためのサービスガイド」

 

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