こんにちは、コーチ・コンサルタント・カウンセラーの
MOMO(モモ)高橋澄子です。
あなたは組織という言葉から何を想像しますか。
「あなたの会社はいい組織ですね」「○○社の組織は問題だなあ」などと日常的に使われることが多い言葉ですが、そもそも「組織と何か?」と問われると、説明しにく言葉ではないでしょうか。
そこで今日は「組織とは何か?」について考えてみます。
組織と他の集団との違い
組織は、人の集まり(集団)の1つです。
人の集まりといえば、友達同士のグループも集団ですし、街の群衆も集団ですが、組織とは呼びません。
集団のメンバー全員が協力して達成しようとする明確な目標がある
とき、その集団は組織と呼ぶことができます。
企業、官公庁、教育機関、NPO団体などは、設立の目的と組織の目標を掲げ、所属するメンバーが目標達成を目指して活動する集団なので、組織と呼ばれるのです。
ヨコ(水平)方向の分業とは
組織目標の達成には、さまざまな仕事が必要です。
メーカーを例にとると、
・商品の企画・開発、設計、原材料の調達、生産、物流、販売、アフターサービス
に加えて、
・経理、財務、総務、人事、経営企画
などの仕事が必要です。
こうした仕事を遂行するのに、メンバー個人個人がバラバラに活動することは非効率的で、混乱を招くでしょう。
そこで組織では分業が行われます。
限られたメンバーで、ムダなくモレなく仕事をしていくために、仕事を区分し、それぞれの仕事に責任をもつ担当者を決めて、ヨコ(水平)方向の分業を行うのです。
ヨコ(水平)方向の分業のプラス面・マイナス面
ヨコ(水平)方向の分業によって、各担当は自分たちの仕事に集中し、効率的に目標達成が図れるようになりました。
ところがここで別の問題が生じます。
組織は、個性も価値観も違う人たちの集まりなので、当然意見の相違があります。
加えて、ヨコ(水平)方向の分業のマイナス面として
・担当する仕事ごとに仕事の進め方や考え方が違ってくる
・利害が対立したり、見解の相違が生じやすい
ことがあげられます。
このため組織では、意見の衝突や対人葛藤(人間関係の緊張状態)が頻繁に起こり、目標達成を妨げます。
そこでヨコ(水平)方向の分業を補完するものとして、タテ(垂直)方向の分業が行われます。
タテ(垂直)方向の分業とは
タテ(垂直)方向の分業とは、
・組織の中でのメンバー間の上下関係や位置づけを決め、
・位置づけに応じた意思決定の権限を与えることで、
・意見や葛藤状況の調整を図り、メンバー全員の考えをひとつにまと
めるリーダーシップを発揮する
分業です。
タテ(垂直)方向の分業とは、ヨコ(水平)方向の分業で別々に行われている各分野の仕事を、統合する役割といえます。
たとえば、販売と開発の担当者間で意見の衝突が生じ、膠着状態におちいったとき、それぞれの上司である課長間で利害を調整したり、意見の統一を図り、対立を解消するなどの対策がとられます。
同時に、このタテ(垂直)方向の分業は、
・経営トップからのメッセージ(経営方針や目標)をメンバーに伝え
・メンバーからの情報を吸い上げ経営トップの伝達する
上下のコミュニケーションをつなぐ媒体の役割も果たしています。
まとめ「組織とは」
組織とは、
1.明確な目標をもっている 2.目標を効率的に達成するためにヨコ(水平)方向の分業を 行っている 3.同時に、タテ(垂直)方向の分も行い、全体の統合を 図っている
集団である。 |
したがって、1の目標が不明確だったり、2~3が分業の目的どおり機能していないと、組織としてうまく機能していないと考えられます。
参考文献:山口裕幸・金井篤子編「産業・組織心理学」ミネルヴァ書房
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