普段、会議やミーティングでメモをとることが多いと思います。そんなとき、どんな風にメモをとっているでしょうか。
今日は、皆さんのメモの取り方を見て感じたことをお話します。
よく見るメモの取り方
先日あるミーティングに参加していたときのことです。
気がつくとせっせとペンを走らせ、休みなくメモしているのは私一人。
他の参加者は、自分にとって意味ある情報が出てきたときだけ、その情報をささっと書き留めている様子です。
「自分が大切だと思う要点を書き留める」のが多くの人のメモの取り方ではないでしょうか。
でもコンサルタントとして、詳細なメモを取ることに慣れてしまうと、要点だけのメモから大切なものが抜け落ちていると感じることが多いのです。
丸ごとメモから得られるもの
自分に役立つ情報をささっとメモするのは、楽で効率的な方法に見えるかもしれません。
しかし、その場で何が大切な情報で、何がいらない情報なのか、自分のフィルターで勝手に判断するのはリスクを伴います。
そのときは理解できなかったために大切だと思わなかった内容が後になって必要になったり、重要な意味をもつことがあるからです。
詳細な記録がなければ、そんな内容があったことを思い出すことも、気づくこともなく通り過ぎてしまうでしょう。
また、記録するのは発言の内容だけではありません。
誰がどの順番で発言したのか、それに対して誰がどんな反応をしたのかもわかるようにメモしておくのです。
すると、参加者一人一人の意見や価値観、思いの違いが明らかになり、1対1で話す機会が少なくとも、個人個人を理解することができるのです。
時間やお金を投資した講演会やセミナーなどは、丸ごとメモすることで、そこで得られる情報を漏らさず持って帰ることができます。
丸ごとメモするためには
ポイントは、発言者とその内容の一語一句全てをメモすること。
しかし最初から全てを記録できる人はほとんどいません。
誰もが、自分に興味のあること、自分に関係があること、を選んで聴くクセがついています。
反対に自分の興味がないこと、関係が薄いと思われることは、相当意識しないと聴き取れません。
内容を丸ごとメモするためには、全ての参加者の様子と発言に均等に関心を向け、ずっと集中を切らさず、ひたすらに記録し続けてください。
慣れない間は1~2時間で神経がヘトヘトに疲れますが、慣れてくると、自然に耳と手が連動し苦もなく詳細にメモがとれるようになります。
その場の情報を貪欲に自分のものにするために、たまには丸ごとメモに挑戦してみませんか。